平 真美 お問い合わせフォームからの通知メールが Gmail にだけ届かない。
これは今のメール環境では非常に多いトラブルで、
フォーム側やサーバーの問題と思われがちですが、
実際には Gmailの“なりすまし判定”が原因 になっているケースがほとんどです。
この記事では、私が実際に解決したケースをもとに、
「なぜ届かないのか？」「どうすれば直るのか？」 を分かりやすく解説します。
Gmailは「送信元アドレスの整合性」を非常に厳しくチェックしている
メールが届くかどうかは、単にサーバーや設定の問題ではありません。
Gmailは以下の要素をもとに、
そのメールが“正しい送信者”かどうかを厳密に判定しています。
- SPF（送信元の正当性）
- DKIM（署名の検証）
- DMARC（整合性チェック）
- 送信元IP
- Envelope-From（Return-Path）
- Fromヘッダーのドメイン一致
この中で特に重要なのが、
「Fromに指定しているメールアドレスのドメイン」と
「実際にメールを送っているサーバー」が一致しているかどうか。
ここがずれていると、Gmailは
“なりすましメール（spoofing）” と判断し、
受信拒否または迷惑メール行きにします。
実際に起きたケース：フォーム通知が Gmail だけに届かない
あるクライアントで、お問い合わせフォームの通知メールが
「Gmailだけに届かない」という相談がありました。
調べてみると、
- サイトドメイン：client-website.jp
- フォームの送信元アドレス：info@gmail.com
フォームは client-website.jp のサーバーから送信しているにもかかわらず、
送信元（From）が gmail.com になっている状態でした。
Gmail側から見ると：
「gmail.com のメールのはずなのに、全然違うサーバーから来ている」
となり、完全に “なりすまし”扱い に。
結果として、
Gmailだけが完全拒否 → 受信すらしない状態でした。
解決方法：送信元メールアドレスを「設置ドメインで作成し直す」
このトラブルは 1つの設定変更だけで解決できます。
✔ 送信元メールアドレスを
フォームを置いているドメインで新しく作る
これをフォームのFromに設定し直したところ、
即座に Gmail へ届くようになりました。
シンプルですが非常に効果的な方法で、技術的にも100%正しい対処です。
なぜこれで解決するのか？
フォームが置かれているサーバーで作成したメールアドレスに変更すると、
- SPF → 一致
- DKIM → 一致
- DMARC → 一致
- Fromと送信経路 → 一致
- Gmail → “正しい送信者”と判定
となり、
“なりすまし判定” が完全に解除されます。
WordPressの主要なフォームプラグインでも頻発している問題です
この問題は、あなたが経験した特殊なケースではありません。
実は WordPress で広く使われているフォームプラグイン全般で
同じトラブルが頻繁に報告 されています。
代表的なプラグイン：
- Contact Form 7（CF7）
- MW WP Form
- Ninja Forms
- Elementor Form
- Gravity Forms
- Flamingo（CF7の送信ログ）
これらのプラグインは機能が豊富で便利ですが、
Fromアドレスのドメインと送信元サーバーが一致していない場合、
Gmail がなりすまし判定して弾く のは共通です。
実際、
- 「急に届かなくなった」
- 「Gmailだけ受信しない」
- 「迷惑メールにも入らない」
- 「テストでは届くのに、本番は届かない」
といった報告が多く、
どのプラグインでも根本原因はほぼ ドメイン不一致による DMARCエラー です。
よくある誤解：Gmailを送信元に使うのが悪いのではない
ここでよくある誤解があります。
❌「FromにGmailを使うのが悪い」
そうではありません。
問題は：
✔ **“Fromに設定したメールのドメイン” と
“実際に送っているサーバー” が一致しているかどうか**
これだけです。
- Outlook
- Yahoo
- iCloud
- 別ドメインの会社メール
…どれでも、送信経路と一致していなければ弾かれます。
まとめ：Gmailに届かない時は「送信元アドレスの整合性」を疑う
フォーム通知が Gmail に届かない最大の原因は、
✔ Fromアドレスのドメインと、
✔ 実際の送信サーバーが一致していない
これがほとんどです。
解決方法はシンプル：
👉 **フォーム設置ドメインのメールアドレスを新しく作り、
送信元をそのメールに統一する**
これが最も安全で、
2025年現在の Gmail ルールにも完全に適合するベストな方法です。