ハチはなぜ大量死したのか
この本だいぶまえから読みたかったのですが、おこづかいが足りないので
後回しにしていました。
この間、図書館で発見したのでさっそく読みましたが
なかなか奥が深く、専門的でとぎれとぎれのお話で
読み進めるのに時間がかかりました。
でも、思ってた以上の内容でした。
主には蜂群崩壊症候群(CCD:Colony Collapse Disorder)のお話なのですが、
ミツバチが関わる農業のお話、食のお話、自然環境のお話なのです。
すでに今ミツバチだけに限らず、受粉活動をする虫たちの危機なのかもしれません。
結局はこれだ!という答えは示されていませんが、疑われる原因について
ひとつひとつ丁寧に検証して行くスタイルです。
なかでも心に残ったのは、
・アーモンド農場での受粉に大量のミツバチ
・微量な農薬の幼虫への影響
・ダニによる自然淘汰
・ミツバチ以外の受粉動物が繁殖できる環境が農地の周りで減っている
・人間が考えた蜂の巣の基盤を利用するよりハチに任せた自然の巣作りの方が蜂蜜の量が多く作られる
☆環境問題に興味が有る人は必読だと思います。
ミツバチの大量死は農業の工業化によって歪みが生じている証拠だと思います。
受粉させるためだけに、大量に投入されるミツバチ。
不自然な状態で生産されて行く私たちの食料。農業だけでなく畜産も水産も。
人間の繁栄の為、とめどなく効率化を求められ続ける。
その結果、人間自身にしっぺ返しがくるのでしょう。
環境は、地球は、軟弱ではない。
人間にとって都合が悪くなるだけで...
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