AIがホームページを「つくる時代」に
ChatGPTや生成AIの登場で、
「もう人間がホームページを作らなくてもいいのでは?」という声をよく耳にします。
確かに、AIは短時間で文章を書き、画像を作り、コードまで生成します。
これまで時間とコストをかけていた作業が、
数分でできてしまうようになったのです。
しかし――本当にそれで「伝わるホームページ」が作れるでしょうか?
AIがどれだけ進化しても、人が担うべき領域は確かに存在します。

ChatGPTで作れる部分と作れない部分
ChatGPTを使えば、
トップページの文章構成、見出し、キャッチコピーなど、
基本的な“骨格”を整えることは簡単です。
さらにHTMLやCSSのコードまで生成できるため、
小規模なLPや紹介サイトなら、
“見た目が整ったサイト”を自動で作ることも可能です。
ただし問題は、「中身の説得力」と「目的の一貫性」です。
AIは与えられた情報をもとに文章を組み立てますが、
事業の背景や強み、顧客との関係性までは理解できません。
結果として、“正しくても伝わらないサイト”になりがちです。
AIが苦手とする「設計」と「選択」
ホームページ制作の本質は、
デザインでもコーディングでもなく、設計と選択の連続です。
どの情報を伝えるか。
どんな順番で見せるか。
誰にどんな行動をしてほしいのか。
これらを決めるのは、人間の戦略判断です。
AIは提案を出すことは得意でも、
「どれを採用すべきか」を決める責任は取れません。
ここに“人が担うべき役割”があります。
AIを「正しく導く」のも人間の仕事
ChatGPTは非常に優れていますが、
時に間違った回答を出したり、堂々巡りをしたりすることもあります。
そのため、AIをうまく使うには、
人間が適切にコントロールし、正しい方向へ導く力が欠かせません。
また、ビジュアル生成の分野でも同様です。
AIは驚くほどリアルな画像を作れるようになりましたが、
まだ人間が細かく指示を出さないと、
訴求力のある最適なビジュアルを生み出すことはできません。
これもいずれは改善されるでしょうが、2025年の時点では、まだまだ人の感性が必要だと感じます。

AIを使いこなす人が「価値を生み出す」
AIに仕事を奪われるのではなく、
AIを“パートナー”として使いこなす人が価値を高めます。
たとえば、
ChatGPTに文章を考えさせてから、
「もう少しやわらかく」「お客様の声を中心に」と指示する。
この“調整の精度”こそ、人間のセンスと経験が光る部分です。
AIが作ったものをそのまま使うのではなく、
AIが作りやすいように情報を整理し、AIが出した案を人が磨く。
この往復ができる人こそ、これからのWeb制作者・事業主に求められます。

AIが進化しても、伝えるのは「人」
AIはツールであり、意図を持つのは人間です。
だからこそ、AI時代のホームページづくりで大切なのは、
「何を伝えたいか」「誰にどう届いてほしいか」という人の意思です。
ChatGPTが生み出すスピードと人の感性を掛け合わせれば、
これまで以上に“本質的なサイト”をつくることができます。
AIは“代わり”ではなく、“力を引き出す相棒”です。
それをどう扱うかが、次の時代の分かれ道になります。
