バックアップが正しく取れていないと復旧できない|WordPressのよくあるトラブル

バックアップが「取れていても復元できない」問題

WordPressで最も多い深刻トラブルのひとつが、

「バックアップはあるのに復元できない」

というケースです。

バックアップさえあれば安心…
と思われがちですが、実は現場では バックアップが役に立たないことが非常に多い んです。

なぜバックアップが重要なのか?

WordPressは次のような“データの塊”で動いています。

  • データベース(記事・設定・ユーザー・サイト全体の情報)
  • ファイル(テーマ・プラグイン・画像・カスタム設定)
  • PHP / サーバー環境

このどれかひとつでも壊れると、サイトは簡単に動かなくなります。

だからこそバックアップは重要…なのですが、
バックアップ=復元できるとは限らないのが現実 です。

バックアップが正常に取れていても「復元できない」代表例

① データが大きすぎてインポートエラーになる

特にデータベース(SQL)は、

  • 数百MBを超える
  • 画像を大量に使っている
  • WooCommerceなどでデータ量が多い

などの理由で インポート制限に引っかかる ことがあります。

結果:

✔ ブラウザが固まる
✔ インポート途中で強制終了
✔ タイムアウト
✔ インポートできない

こうなると、バックアップが存在しても復元不能です。

② バックアップファイル自体に欠損がある(破損データ)

バックアッププラグインが
「正常にバックアップしました」
と表示していても…

  • 内部でデータが欠損していた
  • 圧縮ファイルが壊れている
  • 特定テーブルだけ抜け落ちている

という事例、本当に多い です。

復元すると:

✔ サイトは立ち上がるが真っ白
✔ 投稿が消えている
✔ メディアが読み込まれない
✔ 設定が崩壊

など。

③ 文字化け・エンコード不一致で復旧できない

インポート時に

  • エンコード(UTF-8 / SJIS)
  • テーブル構造
  • 環境差(PHP/MySQL)

が微妙に違うと、文字化けや構造破損 が発生。

とくに旧サーバー → 新サーバー移行時に多発します。

④ プラグインやテーマが復元後に動かない

バックアップして戻しても、

  • 今のPHPに未対応
  • 旧テーマのコードが新環境で動かない
  • プラグインの互換性が合わない

などで 結局復旧できない

「バックアップはあるのに、動く形に戻せない」
これも現場では非常に多いパターンです。

⑤ プラグインのバックアップは“保険程度”にしかならない

バックアップ機能は“保険”くらいに考えた方がいい。
100%確実に復元できるものではない。

というのが正しい現場感です。

多くのプラグインは

  • 復元テストができない
  • ファイルサイズに制限がある
  • エラーが起きても“成功したように見える”

そういう弱点があります。

正しいバックアップ方法(確実に復元できる体制)

以下の方法なら、復元成功率は大幅に上がります。

① ファイルとDBは絶対セット(どちらかだけは不可)

✔ wp-content
✔ SQL(DB)
この2つは必須。

② 自動+手動の二重バックアップ

  • サーバーの自動バックアップ(1日1回)
  • 手動バックアップ(重大作業前)

両方あると安全。

③ 少なくとも3世代は残す

1つ前が壊れていることも珍しくありません。

④ 外部ストレージに複製

  • Google Drive
  • Dropbox
  • OneDrive

サーバー故障リスクに備える。

⑤ 復元テストが最重要

最も大事なのはこれ。

「取れている」ではなく「戻せる」ことが重要。

実際、取れていても戻せない事例が多すぎます。

現場ではこんな相談が多い

  • 「バックアップがある」と言われ渡されたが、欠損で復旧不能
  • SQLが300MBありインポート出来ない
  • プラグインのバックアップは壊れていて使えなかった
  • 復元後、テーマがPHPに非対応で真っ白

これらは“よくある”ケースです。

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  • どこまで復旧できるか
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この記事を書いた人

平 真美